前回は「「算数が苦手」な人が解けるようになる勉強法〜「描いて理解」か「すぐに立式」の二つだけ・状況把握して的確に立式・「式を立てる」ことを強く意識〜」の話でした。
たくさんの公式が登場する算数
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以前、上記のような「正三角形が二つ」ある図形問題を考えました。
この問題の考え方は、上記リンクでご紹介しています。
この問題は1984年に武蔵中学で出題された問題で、現在2025年から考えると40年以上前です。

40年前って、
僕が生まれる前で、大昔だね・・・



まだ、昭和で
バブル景気だったって、聞いているけど・・・
「40年前」は小学生〜高校生にとっては、「大昔」で想像するのが難しい面があると思います。
一方で、「40年前」はそれほど昔ではなく、筆者は小学校2年生でした。



1985年の頃は、ガンプラや
キンケシが流行った世代です。
筆者と同世代の方も、同じように感じると思います。
1985年の雑誌「週刊朝日」の大学進学実績特集号の話を、上記リンクでご紹介しました。
40年も前の過去問は、手に入れるのが大変困難ですが、この頃も良い問題が多数あります。
上の問題を「初めて見る」方は、ぜひ解いてみて頂きたいと思います。



二つの正三角形がある時、
辺の長さがa倍の時は・・・



高さもa倍になるので、
面積は(a x a)倍になります・・・
この問題の一つの特徴は、「相似比1 : aの図形の面積比は1 : a x a」であることを説明していることです。



これは
僕は知っているよ!



図形の公式の
一つだよね!
算数や数学では、多数の公式が登場します。
「どこまで公式として考えるか」に対しては、様々な意見があります。



とにかく多くの公式を
暗記して、多くの問題を解くのが良い!
このように考える人もいれば、



公式も大事だが、
一つ一つ考え方を理解する方が大事!
「公式よりも理解が大事」という考え方の人もいます。
筆者は、後者の「一つ一つきちんと理解する」考え方が良いと考えます。
制限時間があるテストにおいては、公式をたくさん知っている方が得点が上がる傾向があります。
一方で、応用問題が多いテストでは、「公式のみ」では解けない場合が多いです。



結局、どっちが
良いの?
この「公式をたくさん」と「理解中心」に関しては、受験する学校の出題傾向にもよります。
数多くの問題が出題される場合は、「公式をたくさん」も良い面があると思います。



たくさんの公式が
あるから、覚えるのが大変・・・
「公式を暗記」と考えると、沢山ありすぎて大変な面があります。
「分からない」と手を止めないで手を動かす


それでは、「相似比1 : aの図形の面積比は1 : a x a」を説明出来るか、考えてみましょう。



えっ、
説明するの?



これは公式だから、
暗記していればいいんじゃないの?
公式は「説明出来る」のが望ましく、説明出来る方が算数の学力が大きく上がります。



でもさ、公式を説明できても、
問題を解けるかは別じゃない?



公式は、「問題を解く前提」と
いう気がするけど・・・
確かに、公式を使って「ズバッと解ける」問題もあります。
一方で、「公式のみでは解けない」応用問題もたくさんあります。
筆者は「公式を説明出来る学び」をすることをお勧めします。
「公式を説明出来る」と、公式をしっかり理解することになり、応用力が格段に上がります。
特に、図形問題では、多数の公式や性質が登場しますが、それらをしっかり理解してみましょう。
すると、図形問題が解けるようになるでしょう。


上の二つの相似形において、「相似比1:3の相似形の面積比は1:9」となります。



この1:9は「知っている」で、
問題を解くんじゃないの?
この「面積比1:9」を説明することを考えてみましょう。



なんとなく、直感的には
1:9になるよね・・・



でも、「直感的に」では
説明になっていないね・・・
「直感的に」では説明にはなりませんが、「直感」は算数や数学では大事にしましょう。



辺の比から、
面積の比を考えれば良いかな・・・



う〜ん、
分からない・・・
「分からない」時は、手が止まってしまいますが、手を動かすようにしてみましょう。



手を動かす、
ということは・・・



ちゃんと面積を
考えてみようかな・・・
図形問題が解けるようになる勉強法:相似比と面積比を説明


二つの三角形の面積比を考えていますが、「面積の計算の仕方」をもう一度考えてみましょう。



三角形の面積は
「底辺x高さ➗2」だよね!



この「底辺x高さ➗2」も
説明できた方が良いのかな?
「三角形の面積=底辺x高さ➗2」は、超基本なので、しっかり理解したいです。
この「三角形の面積=底辺x高さ➗2」は、図形の基本というよりも「決まり事」とも言えます。
そこで、「三角形の面積=底辺x高さ➗2」は、公式というよりも「決まり事=前提」で良いでしょう。
分数を習った後は「三角形の面積=底辺x高さ➗2」ではなく「三角形の面積=底辺x高さx1/2」が良いです。



どっちでも
同じじゃないの?
「➗2」と「x1/2」は、算数・数学的には同等ですが、意味が少し異なります。
「三角形の面積=底辺x高さ➗2」ではなく、「三角形の面積=底辺x高さx1/2」
相似比などを考えるときは、比や比率を考えます。
そこで、三角形の面積の計算の際も、掛け算の方が統一感があって分かりやすいと思います。


「相似比が1:3」ということは、「相似の部分は全て1:3」です。



こう考えると、
面積は計算出来るね!


両方の三角形の面積を計算すると、きちんと「面積比1:9」が分かりました。



この計算は、言われてみれば
当たり前だけど・・・



相似形の面積比が
しっかり理解できた気がする・・・



相似比と面積比の関係って、
図形の大事なことだね!
このように、図形の様々な公式や性質をもう一度復習すると、様々な図形の大事なことが分かります。
すると、特に図形の応用問題が解けるようになるでしょう。