前回は「文化部員たちが熱くて楽しい駒場東邦〜白眉の物理部のステージ講演・標本作りを実演する生物部・子ども向けの展示とお兄さんの説明〜」の話でした。
アンモナイトを発掘する活発な駒東生物部:「城専門の部」で模型制作
今年2024年9月14日〜15日に開催された駒場東邦中学校・高校の文化祭を訪問しました。
文化部の活動が活発な中高が多いですが、駒東の文化部は「際立って活発」な印象を受けました。
「ステージ実験・講演」もあった物理部は、展示でも様々な実験が興味深かったです。
次は地学部に
行ってみたい!
生物部同様に、化石などが展示されている地学部は小学生・子どもにも分かりやすいようです。
このアンモナイトは
駒東生がたまたま発掘した本物です・・・
大きなアンモナイトの化石がありましたが、「駒東生が発掘した」本物です。
これは、どこで
発掘したの?
北海道で発掘調査を
していた時に、たまたま見つけたみたいです。
この補修しているパテなども
駒東の先輩たちがやったと聞いています。
地学巡検などで発掘みたいなことをやったことがありますが、「アンモナイト発掘」は驚きです。
アンモナイトなど化石が
出やすいところは、教えてもらいましたが・・・
先輩たちも、これほど大きな
アンモナイトを発掘するとは思わなかった、と聞いています。
写真では分かりにくいですが、現物を見ると大迫力のアンモナイトの化石です。
ここにある化石を発掘して、
欲しいもの2つ持ち帰ってください!
えっ、化石が
もらえるの?
絶対
やってみたい!
このように小学生・子どもたちが「自分で発掘して、持ち帰られる」のはとても良い企画です。
この綺麗な
化石が良いな!
これがいいんだね・・・
これは〜だね・・・
地学部員たちが、発掘した化石の名称の「小さな名札」を入れて、渡してくれました。
この化石は
大事にするね!
続いて「日本之城研究会」に向かいました。
歴史部とは別に城専門の
部活があるんだ・・・
この「日本之城研究会」が面白いところは、「歴史部とは別」であることです。
「歴史部内で城の研究」が普通の発想で、「城の研究専門の部」はかなり気合が入っています。
これは発掘資料などから、
復元して作成しました。
全部自分達で
作成したんですか?
はい。復元された立面図などから
形や高さを測定して、作成しました。
中高生が作成したとは思えないほど、精巧で立派な模型でした。
歴史好きの筆者としては歴史部も訪問しましたが、歴史部では様々な難易度のクイズがあって、
専門的知識をもとに、
個性的なクイズが面白いです。
日本之城研究会も歴史部も、とても良い展示でした。
興味深い「飛行機の原理」の模型:数学の原理を分かりやすく展示
続いて、「航空研究会」に向かいました。
鉄研(鉄道研究会)は、大抵の中高にありますが、「航空」研究会は初めてです。
航空研究会、という
「航空専門」なのが面白いな・・・
上の写真は、大型空母「信濃」の大きな模型です。
戦艦大和・武蔵に続く「三番目の巨大戦艦」として計画された信濃。
「戦艦から空母へ」の流れの中、信濃は途中で空母に切り替えられました。
ミッドウェー海戦で、日米の空母決戦をした話を上記リンクでご紹介しています。
他にも零戦や九七式艦攻機(艦上攻撃機)などの展示があり、「航空」大好きな方々の熱意を感じました。
航空研究会では、航空機・空母などの多数の模型の他に、とても良い模型の展示がありました。
それは「飛行機が飛ぶ原理」を説明した模型です。
多くの方が飛行機に搭乗した経験がありますが、「飛行機が飛ぶ」のはやはり不思議です。
「鳥が飛ぶ」のも十分不思議ですが、ジャンボジェットのような「鉄の塊」が飛ぶのは「超不思議」です。
この「なぜ飛行機が飛ぶのか」を模型で実演している点が、非常に良いです。
飛行機が飛ぶのは「揚力による」が物理的原理ですが、やはり不思議です。
この不思議な「飛行機が飛ぶ原理」を模型で展示して、
これ、
動いているよ!
これはね、飛行機が飛ぶのを
実演しているんだよ。
ふ〜ん・・・
こうやって翼が飛ぶから、飛行機が飛ぶんだね・・・
続いて、数学研究会へ向かいました。
様々な学校で数学研究会がありますが、多くの数研(数学研究会)で「紙の上の説明」が多いです。
これから、「コインを5回投げた時に
表が出る」回数を実演します。
二項分布を実際に模型で実演するようです。
ね〜、
これ何?
あの沢山のボールが
転がるから、見ていると楽しいよ。
それでは
開始します!
ボールが五段の円筒に当たって左右に分かれてゆき、コインの表が出る回数に分布します。
少し、ばらつきがありますが、
大体理論と合っています。
このように数学的理論を実証する姿勢は、とても好感が持てます。
これは
何だろう?
あの曲線にボールを当てると、
このボールに絶対当たるよ。
本当なの?
やってみる!
放物線の軸に並行にボールを当てると、必ず焦点に向かってゆく原理があります。
あっ、本当だ・・・
もう一回!
また、このボールに
当たった・・・
なんだか
不思議だね・・・
中学生〜高校生が、代数的または幾何的に考えると解ける「放物線の原理」ですが、
これも実際に「焦点にあたる」のを
目の当たりにするのは、大事な姿勢だ・・・
数学的事象を実体験する数学研究会の姿勢は物理部的でもあり、数学と物理を横断する姿勢です。
文化部がとても活発で、極めて面白くレベルが高い駒場東邦中高の展示でした。
来年同時期に開催されると思われますので、中学受験生の親子はぜひ。