前回は「標本作りの体験〜「一つ出来た」経験と自ら進んで作る姿勢・トンボの標本づくりとコツの習得・一つ一つクリアしてゆく学び〜」の話でした。
「自分だけの標本箱」をつくる体験:乾燥した昆虫の標本を箱に配置
福島県の南会津で子どもと一緒に「昆虫採集して、標本作り等の体験プログラム」に参加しました。
完成後に、講師の先生方から、
作成頂いた標本は
一月ほどお預かりして、乾燥させます。
乾燥後に標本が完成しますので、
センターまで受け取りにいらしてください。
という話でしたので、プログラム終了後、一月経過した先日、子どもと一緒に受け取りに行きました。
いよいよ、今日は
僕の昆虫標本完成だね。
「初めての昆虫標本箱」を待ち受ける子どもは、とても楽しそうでした。
そして、標本受取の会場に行くと、先生から、
それでは、乾燥した昆虫を
取り出すので、ピンを外してください。
標本を作った時と違って、
乾燥しているので、丁寧にして下さい。
それじゃ、蝶の標本から、
こうして、ピンを外して・・・
「丁寧に」と言われたので、「極めて慎重に」ピンの取り出し作業を進めてゆきます。
こういう「丁寧な作業」は「易しそうに見える」傾向がありますが、実際にやると難しいことがあります。
うまく、ピンが
外れたよ!
とても上手に
出来たね。
「ピンを外すだけ」ですが、昆虫に触れないように、時間をかけてゆっくりと作業を進めました。
じゃ、次も
やるね!
子どもは「一つ出来ると自信を持って、次にゆく」傾向があります。
それを見ていた先生からは、
うまく出来たね。
それでは、今度は標本箱に差してみよう。
持参したスチールの箱に、自分が自由に昆虫の標本を配置してゆきます。
どこに、蝶の
昆虫を置こうかな・・・
いよいよ、「自分だけの標本箱」を作ってゆきます。
「本物の昆虫標本」を間近で見て触れる経験
それじゃ、ここに
置こう!
まずは、蝶の標本を箱の角の方に置いて、一段落です。
とてもきれいに
出来た!
こうして、まじまじと蝶を見るのは初めての経験で、
蝶の羽って、
こんな風に様々な色があるんだ・・・
麻布中高の文化祭では、生物部員の方達が「自ら採集した」標本を展示していました。(上記リンク)
このように、昆虫等の標本は博物館や中高の理科室などで見た経験があります。
そして、それらの標本は「大事に保管するため」に、しっかりした箱に入っています。
箱の内部を見ることは極めて稀で、大抵の場合は、ガラスかアクリル越しに見ます。
そのため、ガラス・アクリル等の反射があって「少し見えづらい」ことがあります。
そして、「保管上やむ得ないこと」ですが、ガラス・アクリル越しは「ちょっと距離感」があります。
目の前で「リアルで本物の昆虫標本」をじっと見てみると、
昆虫の身体って、
こんな風になっているんだ・・・
とても不思議な気持ちになりました。
次は、
トンボの標本を作る!
蝶はピンで差して、空中に留めましたが、トンボは少し異なり、空中に留めた紙に接着します。
この紙にトンボを
接着して・・・
こうして、少しずつ昆虫を箱にレイアウトしてゆきます。
置く前に、
どこに何を置くか考えると良いよ。
こういう風に「何かを配置する」時は、先に「全体像をイメージする」ことが大事です。
ここにシジミチョウを
並べて・・・
こっちとこっちに
蝶とトンボを置こうかな・・・
これで、子どもが採集・作成した標本箱が完成しました。
おっ、上手に
出来たね!
ちゃんと
出来ました!
「初めての自分だけの標本箱」を先生に褒められて、嬉しそうにしている子ども。
この辺りに、
もう少し置けるね・・・
確かに、ちょうど「中央付近」が空いています。
レイアウトは子どもが自由に考えたので、子どもなりに左右対称でバランスよく配置されていました。
じゃ、ここにある
標本から好きなものを入れていいよ。
先生方が採集した、あるいは購入した標本を少し分けていただけることになりました。
えっ、ここにあるのから
選んでいいの?
いいよ。
好きな昆虫を入れてみたらいいよ。
えーっと・・・
やっぱりクワガタだな・・・
まずは、クワガタ一匹を選んだ子ども。
もっとたくさん
入れていいんだよ。
じゃ、次はこれが
いいな・・・
合計三匹の昆虫の標本を追加で頂き、「自分だけの標本箱」に追加してレイアウトしました。
これで
出来た!
なかなか立派な昆虫の標本箱が完成しました。
昆虫を採集・標本作成する機会は、なかなかありませんが、とても良いのでオススメします。
このように、一度でも「本物に触れる体験」をすることは、理科の教育上最も大事です。
昆虫などの生き物、あるいは様々な理科の現象は、動画・写真・絵で見ることが多いです。
その中、「少しでも実物を体験する」機会を作ると、イメージがしやすくなるでしょう。
例えば、小学生・中学受験生が学ぶ「昆虫の学び」は実に広範囲です。
大人が見ても「全然分からない」レベルの知識を大量に学ぶ小学生・中学受験生たち。
このように「実物を体験して学ぶ」姿勢は、理科への興味が高まり、学力も上がるでしょう。