比較しやすい二人を選んで解くコツ〜「三人以上の人が登場」する時は「考える対象を二人に絞る」・20(1)解法〜|速さと比・武蔵中1973年算数3・過去問・中学受験

前回は「「相手にするのは二人」にして解くコツ〜三人まとめて相手しない・「一枚の図・絵」にまとめて考える大事さ〜」の話でした。

目次

「三人以上の人が登場」する時は「考える対象を二人に絞る」

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前回に続き、問題20(1)を考えます。

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速さの問題では、様々な設定がありますが、基本は上の「速さ・距離・時間」の関係です。

この三つの関係をしっかりと意識して考えれば、全ての速さの問題は解けるはずです。

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速さの問題に対して、立式して解く、グラフを描いて解くなどいくつかの手法があります。

いずれの手法であっても、最も重要なことは「問題の設定を的確に理解すること」です。

「問題の設定を的確に理解」する大事さは、速さの問題に限らず、全ての算数の問題で共通します。

他の科目でも最も重要なことであり、まずは「きちんと問題の設定を理解」するようにしましょう。

そのために、算数では、上のように「一枚の図」を描くことが大事です。

速さの状況を描くコツ

1.移動する状況・速さを矢印で表現

2.「速さの違い」を矢印の本数や太さで表現:「自分流」で描く

「出来る人」ほど、このような「一枚の図」を的確に描いています。

この速さの問題は設定が極めてシンプルであり、場所が駅のみであり、一方向に進みます。

ところが、「A,B,Cの三人が登場」するために、状況が複雑化していることが難しい点です。

「三人以上の人・三つ以上のことが登場」する問題

・「三人以上の人・三つ以上のこと」を同時に相手しない

・「三人以上の中から二人・三つ以上の中から二つ」に絞って、少しずつ考える

算数の問題で「四人以上の人・四つ以上のこと」が登場する可能性は非常に低いです。

ほとんどの問題は、多くても「三人の人・三つのこと」です。

いずれの場合も「二人または二つに対象を絞る」ことが大事です。

男子小学生

今回はA,B,Cの三人から
二人を選ぶから・・・

男子小学生

「AとB」か「AとC」か
「BとC」だね・・・

「三人から二人選ぶ」組み合わせは、3通り考えられます。

これらの3通りの中から、「考えやすい一つの組み合わせ」を選ぶことが、まず重要です。

女子小学生

どの組み合わせを
考えたらいいんだろう・・・

比較しやすい二人を選んで解くコツ・20(1)解法

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今回は、最初にBとCの二人を選ぶのがポイントです。

出題者

駅から7kmの地点で
BとCが並びました。

出題者

駅から10kmの地点で
AとCが並びました。

出題者

駅から16.8kmにBが来た時、
駅から14kmにCが来ました。

問題文では、出題者が「三つのシーン」を説明しています。

ここで「BとCの組み合わせ」が二度登場することがポイントです。

女子小学生

BとCをことを
2回説明しているから・・・

女子小学生

BとCの動きが
追えるね!

問題文では、「様々なシーン」が説明されることが多いです。

それらの「様々なシーン」を的確に理解して、それらの「シーンとシーンの違い」を考えるのが大事です。

「違い」は算数では、多くの場合「差を考える」ことです。

算数の文章題の考え方の基本1

・問題文で説明される「様々なシーン」を「一枚の図」などで的確に理解

・「シーンとシーンの違い・差」を考えて、「解く鍵」を探す

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二度説明されている「BとCの動き」に着目して、「シーンの違い・差」を考えると上の図になります。

男子小学生

同じ時間で、BとCの
移動距離が分かるね!

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「同じ時間」で「移動距離の違い」が分かるので、「BとCの速さの比」が分かります。

ここで「同じ時間」が具体的に「〜分」など記載されていると、「速さ」が分かります。

今回は「具体的な時間」が不明なので「速さの比」までが分かります。

男子小学生

BとCの速さの比が
分かったけど・・・

男子小学生

Aのことは一度しか
説明されていないから・・・

女子小学生

Aの動きが
分からないね・・・

問題を解く際、「何か分かった」後には「続く何かが分かる」ことが多いです。

出題者

駅から7kmの地点で
BとCが並びました。

「BとCの速さの比」が分かったので、「最初のシーン」に注目しましょう。

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「BとCの速さの比」が分かれば、Cの移動距離が分かります。

上のように、「新たに分かった事実」は「一枚の図」に追記してゆきましょう。

算数の文章題の考え方の基本2

・「2つのシーンの違い・差」から比などの事実をつかむ

・分かった事実から、「2つのシーンのどちらか」に戻って新たな事実をつかむ

算数では、「2つのシーンの違い」から何かが判明した後、「どちらかのシーン」に戻ってみましょう。

すると、新たに何か分かることが多いです。

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そして、最初に「Cがいた地点」が計算できます。

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すると、今度は「AとCの速さの比」が分かります。

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「AとCの速さの比」からAの移動距離が計算できました。

その結果、問題の答えにたどり着きました。

女子小学生

最初はBとCを
比較して・・・

女子小学生

それで分かった事実から、
少しずつ状況が分かってきて・・・

女子小学生

次に、AとCを
比較したら解けたね!

どんな問題でも、解く際には「少しずつステップを踏む」ことが大事です。

今回の問題は、「解くステップを考える」には非常に良い問題です。

「どのように考えれば解けるか」を学ぶために、今回の考え方をしっかり理解してください。

次回は(2)へ進みます。

次回は上記リンクです。

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