前回は「算数や理科の公式を「覚えてしまう」学び〜「当たり前」と思っている「公式」・「基礎的公式」の理解と学力〜」の話でした。
水溶液の性質の問題:サイエンスの本質「類推する力」
Water_N106m_ts
中学受験生に必須の水溶液の性質は、頭に入れておく必要があります。

水溶液AからFがあり、
赤色リトマス紙をつけたら・・・
複数の水溶液が登場して、リトマス紙やBTBなどにつける問題が、中学受験でよく出題されます。
このように「何らかの化学反応」を対象とする問題は、大学受験でも多いです。



AからFの物質があり、
熱湯をかけたら溶解したのは・・・



あ、「熱湯で溶解」は
鉛だ!
このように、大学受験の無機化学・有機化学では、物質や水溶液を類推する問題が多数あります。
中学受験〜大学受験の理科(化学)において、よく出題される「性質の理解から類推」の問題。
これらの「性質の理解から類推」の問題が多いことには、明確な理由があります。



水溶液の性質は
化学の根幹であり、理解することが必要だ。



中高の化学実験において、
水溶液や物質の性質を数多く対象とする。



出来れば、パッと性質が
思い浮かぶように、頭に入れる(暗記)が望ましい。
中学受験の出題者側の視点から考えれば、「中高の化学の学びに必須」であるのが水溶液の性質です。



そして、様々な性質を前提として、
目前の物質や水溶液を類推するとは・・・



化学に限らず、
サイエンスの根幹である。
「不明である何か」に対して、既存の性質などを前提に類推することはサイエンスの根幹です。
赤と青のリトマス紙に対する性質の理解に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
この観点から、中学受験において、水溶液に関する問題は「本質的学力を測る」事に適しています。
そのため、今後も水溶液の問題は様々な視点から出題されることは確実です。
整然とノートに書いて理解深める学び
Water_N112m_ts
リトマス試験紙・BTB・フェノールフタレインを、簡単にノートにまとめてみました。
中学受験の理科における「色変化三冠王」のこれらは、全て頭に入れておく必要があります。
出来れば、上にまとめた「基本的水溶液」に対する色変化は「全て即答出来る」のが望ましいです。



大体は暗記したけど、
全て即答は難しいかも・・・



私は語呂合わせで
覚えているから、少し時間がかかるかも・・・
これらの水溶液の性質に関しては、「語呂合わせ」で覚える人もいらっしゃると思います。
筆者は「語呂合わせが合わない」ので、語呂合わせによる暗記はしませんが、一定の効果はあります。
ただし、語呂合わせの場合、何らかのグループをまとめて「語呂合わせ」にするので、



BTBね・・・
え〜と、語呂合わせで〜と〜が・・・
「あるグループに対して、水溶液の名称などをまとめて覚える」傾向があり、少し時間がかかります。
試験の際は時間がかかっても、きちんと暗記や理解出来ている方が良いです。
その方が、適切な回答が出来る可能性が高いからです。
その一方で、これらの性質などを「思い起こすのに時間が掛かる」と焦って混乱する場合があります。



早く問題解かないと・・・
え〜と、あれはどうだっけ?
このように、「時間に追い立てられている」試験では、焦ってしまうことが多いです。
「焦りは禁物」と言われますが、試験では「焦るのが当然」です。
そこで、これらの「暗記をもとにして考える」理科や社会の問題は、ある程度トレーニングが必須となります。
ノートに「書いてみる」学びと記述対策
Water_N120m_ts
水溶液においては電気を「通す」のが普通であり、「通さない」を覚えるのが良いです。
電気を「通さない」水溶液に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
これらの「ノートのまとめ」は、比較的普通のやり方ですが、筆者の独自のまとめ方です。
色変化や電気を「通さない」性質のイメージは、それぞれの方のイメージで良いと考えます。
このような「自分のイメージ」は中学受験生には難しいので、



フェノールフタレインの
色の変化は、〜のように覚えると良い!
塾の先生などから習った考え方などで、



あっ、
それなら良いかも!
「良いかも」あるいは「自分に合うかも」という理解の仕方を、しっかり学ぶと良いです。
そして、「ノートを見て覚える」のではなく、上の例のように「ノートに書いて覚える」を勧めます。
慣れてくると、「整然とノートに書く」ことが出来るようになります。
この「整然と」は、それぞれの個性により様々であり、「きれいに」ではなくて良いことが大事です。
「整然と書ける」ことは「少しずつ、きちんと理解している」ことでもあり、理解力が深まります。
そして、「整然と端的に書く」ことは、記述対策にもなるでしょう。
・「きれいに」ではなく、「整然と端的に」書いて理解深める
・「書く」ことから、記述対策になる
まずは、自分なりに「きれい」でなくても「整然と」ノートに書いてみましょう。
すると、少しずつ着実に理解が深まるでしょう。