人生の根幹となる海兵「五省」〜怠けずに少しずつでも上昇・「惜しみなく努力する」大事な姿勢・「一生懸命学ぶ」中高生〜|海軍兵学校の教育4

前回は「毎日「少し省みる」姿勢を具現化した五省〜自己の過ちと精神力・明治維新翌年に成立した海軍兵学校・軍事力確立急務の明治新政府〜」の話でした。

目次

「惜しみなく努力する」大事な姿勢:「一生懸命学ぶ」中高生

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戦前の海軍兵学校(海兵)の学生たちが、毎日声に出していた五省。

現在では、防衛大学校や防衛省の士官の方達が、肝に銘じている「5つの教え」です。

現在の日本においては、諸外国の中で「極めて特徴的な状況」にあり、軍がありません。

常に議論の対象となる「憲法9条」において、「戦争を永久に放棄」しているのが我が日本です。

新教育紀行
陸上自衛隊(Wikipedia)

そして、防衛大学校を出た方々は「専守防衛の自衛専用」の「軍ではない自衛隊」となります。

軍ではなく、「自衛のためには戦う」特殊な組織である自衛隊は、かなり強力な軍事力を持ちます。

「軍ではない」のに「軍事力を持つ」不思議な存在が自衛隊であり、曖昧な存在です。

そして、自衛隊は、諸外国から見れば「軍」と認識されていることが多いのが実情です。

男子小学生

確かに軍事力を
持っていたら、「軍」になるね・・・

女子小学生

私たち日本人は、
「軍ではない」と考えているけど・・・

女子小学生

武器を持っていたら、
「軍に近い」存在にはなるかもね・・・

現在、「軍」に近い「自衛隊」という極めて特殊な組織の基軸となっている「五省」です。

この意味では「一般の方には関係ない」という考えもありますが、。多くの方にとっても学びがあります。

五省

一、誠実さや真心、人の道に背くところはなかったか

一、発言や行動に、過ちや反省するところはなかったか

一、物事を成し遂げようとする精神力は、十分であったか

一、目的を達成するために、惜しみなく努力したか

一、怠けたり、面倒くさがったりしたことはなかったか

海兵3号生S

目的を達成するために、
惜しみなく努力したか!

今回は、五省の四つめの「惜しみなく努力」を考えてみましょう。

小学生や中学生には難しいですが、高校生以上は、出来れば「毎日惜しみなく勉強」したいものです。

男子高校生

毎日、惜しみなく
勉強、か・・・

女子高校生

毎日を「惜しみなく」は
難しいけど・・・

女子高校生

毎日、一生懸命
勉強するようにしよう!

何事も「惜しみなく」するのは、大変難しいことです。

中高生は、「毎日一生懸命学ぶ」という姿勢を持つと良いと考えます。

人生の根幹となる海兵「五省」:怠けずに少しずつでも上昇

New Educational Voyage
江田島の海軍兵学校(江田島 日本の海軍教育 別冊歴史読本 新人物往来社)

海軍軍人の超エリートを育てる場であった海軍兵学校(海兵)。

海兵は、現在の大学に相当する教育機関ですが、「軍人養成機関」でした。

「教育」機関と「軍人養成」機関では、そこで学ぶ人たち、教える人たちの意気込みも大きく違います。

海兵3号生S

僕たちは、
帝国海軍軍人として・・・

海兵3号生S

大日本帝国を
守る人物になるのだ!

極めて難関だった海兵の入学試験に対しては、受験生たちはもう勉強していました。

海兵では、「16歳〜19歳」が入学することが出来ました。

つまり、「15歳以下」と「20歳以上」は不可であったのが海兵の入学基準です。

海兵の受験生だった、15歳〜18歳頃から「帝国を守る人物」を目指していた人たちは、

海兵3号生S

僕の家族・親戚だけでなく、
帝国の人たちや海を守る!

極めて高いテンションを持って、学んでいたことでしょう。

「五省」の五番目・最後において、

海兵3号生S

怠けたり、面倒くさがったりしたことは
なかったか!

「怠けること」や「面倒くさがること」を強く戒めています。

男子高校生

僕は数学が
とても好きだし、どんどん学びたい!

女子高校生

私は英語が好きだから、
とにかく勉強する!

中学三年生〜高校生くらいの間になると、多くの人は「自分の適性」が分かってきます。

出題者

学校側としては、
全科目を、このように学んで頂きたい!

各中学・高校では、学習指導要領や大学受験を見据えて、様々なカリキュラムを用意しています。

男子高校生

数学ならば、いくらでも
勉強したい!

男子高校生

ただ、学校では現国も
古文もやらなければ・・・

男子高校生

古文よりも、数学の方が
楽しいんだけどな・・・

高校生くらいになって「あらゆる科目が好き」という方が、「変わっている」のであり、

女子高校生

私も授業が
ずっと英語だったら良いのに・・・

ほとんどの人は「何かの科目が大好きで、嫌いな科目がある」ものです。

自分の好きな科目ならば「ずっと学んでも良い」気持ちになる人が大勢いるでしょう。

男子高校生

数学は大好きだから、
学校以外に、この参考書を読破する!

数学が大好きな人は、学校の課題以外にも、自分で勝手に本を見つけて学ぶでしょう。

男子高校生

大好きな数学だけど、
今日はちょっと気が乗らないかな・・・

ところが、「大好きな科目」でも、「気が乗らない」時があります。

海兵3号生S

怠けたり、面倒くさがったりしないで
少しずつでも学ぶのだ!

そいういう時は、五省の最後の節を胸に、

男子高校生

今日は気が乗らないけど、
少しだけでもやろう!

女子高校生

今日は気が乗らないけど、
本のちょっとでも学ぼう!

「ほんの5分でも」「ほんの10分でも」学ぶ姿勢を貫くのが、良いでしょう。

すると、毎日少しずつ学力が上昇してゆくでしょう。

新教育紀行

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