前回は「武蔵中学「中学一年生・校内切りつけ」事件の衝撃〜求められる他の中高の教育対策・学校教育と中学生の気持ち〜」の話でした。
武蔵中「切りつけ事件」の2026年中学受験への影響:超直前期の大事件

2025年11月28日の昼、武蔵中学校・高校内で「中学一年生の切りつけ」事件が発生しました。
武蔵中学・高校卒業の筆者は、大変大きな衝撃を受けております。
今回は、この事件の2026年中学受験への影響に関する話です。
中学受験では、関東圏と関西圏では2週間ほど違います。
関東圏と関西圏の中学受験の日程の違いに関する話を、上記リンクでご紹介しています。
昔から、武蔵中学は「2月1日」が受験日です。
関東・関西共に、受験生にとっては「直前期」と言うよりも「超直前期」である11月末に起きた大事件。
男子小学生僕の第一志望校は
K中学!



私の第一志望校は
J中学だよ!
受験する中学受験生である小学生にとっては、「未来の自分」を描く志望校。



我が子には、理想的な
A中学に受かって欲しい!



我が娘には、
O中学にぜひ行って欲しい!
中学受験生にとって、「志望校の選択」は「人生を左右する」ことです。
ここで、「志望校選択の理由」には、下記のような項目が重要になると思われます。
1.学校の校風・通う生徒の雰囲気
2.学校の教育理念
3.学校の歴史・卒業生・名声
4.学校の大学進学実績・中学受験偏差値
5.学校のロケーション・学費
中学受験の志望校選択において、上の5つの項目が最も重要と考えます。
番号は「筆者が考える重要性の順序」であり、この順序は「人それぞれ」です。
「4.学校の大学進学実績・中学受験偏差値」において、この二つは「別物」ですが、極めて強い相関関係があります。
「合格ライン」という意味の「中学受験偏差値」を考える時は、視点が変わり「別扱い」となります。
ここでは、「強い相関関係がある」ため、一まとめとしました。
「大学進学実績」がもっと優先順位が高い人も、いらっしゃると思います。
いずれにしても、やはり思春期を過ごす中高生にとって「校風と雰囲気」は最重要です。
この「最重要項目」において、「大きな疑念」を生んでしまったのが、今回の武蔵中の事件でした。
そして、「トップ校の一つ」である武蔵受験層への影響は、周囲の学校への影響も相応に大きいと考えます。
「志望校変更」の可能性と受験層の変化:「武蔵上位層」の動向


そして、今回の事件の2026年中学受験への影響を、筆者なりの視点で考えてみます。
以下は、筆者の独自の意見です。
まず、塾関係者ではない筆者は、中学受験生に関する特殊なデータ等は一切保有していません。
主体が「中学受験生」であれば、「中学受験生の全体像・データ」は最も重要です。
以下の筆者が推測する「2026年中学受験への影響」は、日本人の歴史・民族性から考えた推測です。
まず、この事件は当然のことながら、「第一志望・武蔵中」の人々に大きな影響を与えます。



カッターナイフで、
同級生を切りつけ、か・・・



殴る、蹴るも問題だけど、
これはちょっと・・・
受験する小学生本人にとっても重大事であり、特に「親の目線」では極めて重要です。
少なからぬ武蔵中「第一志望者」の保護者は、「第一志望校再考」となる可能性が高いです。
ここで、「第一志望校を変更する」のは、極めて大きな方針変更です。
また、大学受験等と異なり「学校の校風・カラーが強く表出した試験」を課す中学受験。
中学受験では、「第一志望校に特化した対策」が必須であり、安易に第一志望校は変更出来ません。
そのため、「第一志望校変更」は、原則として「8月末まで」で遅くとも「9月末」が限度です。
さらに、おそらく日本の中学受験の試験で「最も特殊な試験形式」である武蔵中学の入学試験。


上の写真は、筆者が武蔵中学三年生の時の、日本史の解答用紙です。
「たまたま運よく100点」であり、大抵は記述試験は「最高で97〜98点程度」となります。
中学受験の試験で記述が多い、武蔵中学高校は、定期試験も「ほとんど記述」でした。
筆者が武蔵中学を受験した1990年とは、武蔵中学の入試問題の雰囲気は大分変わりました。
筆者が中学受験生だった頃の武蔵中学の入試問題は「ほぼ全て記述」でした。
最近の武蔵中学の試験では、「答えのみ」が多く見かけられますが、記述主体は変わりません。
中学受験において、様々な学校の試験問題のスタイルがあり、「記述が多め」や「記述少なめ」もあります。
学校によっては「全て答えのみ」の試験もあります。
この「超異質な試験」を課す点が、武蔵中学・高校の「極めて優れた点」の原動力の一つであり続けています。
そして、この「超異質な試験」に「特化」した準備を進めてきた、「武蔵中第一志望」の受験生たち。
突然「答えのみ」「答えのみ主体」の試験に移るのは、「大変難しい」ことです。
その一方で、「ある一定レベルを超えた」受験生は、「記述主体」も「答えのみ主体」も対応可能です。
この視点から考える時、「第一志望・武蔵中」の「上位層」が第一志望校を変える可能性は高いと考えます。
「第一志望・武蔵中」中位層以下の方は、現時点での「第一志望・武蔵中」変更は大きな困難を伴います。
本来、「第一志望校変更」は「校風や雰囲気」が最優先ですが、直前期は「試験対策が最優先」です。
仮に、第一志望校を変更した場合、



第一志望校を
変えたのだから、絶対受かりたい!
「変更先の志望校に合格しなければならない」と考えるのが当然であり、「試験対策」が最重要です。
この視点から考えると、「やや記述に重きが置かれた」学校への変更が考えられます。
昔から「記述が多い」ことで有名であり、武蔵の校風と類似性がある麻布中学が変更先筆頭に上がります。
あるいは、最近「記述の増加傾向」があり、「幅広い教育に力を入れている」ハイレベル校も視野に入ります。
「第一志望・武蔵中上位層」の一部が動くことで、周辺の学校に影響が出そうです。
武蔵中高卒業生の一人として、武蔵中高関係者には「高い効果が見込まれる対策」を1日でも早く実施頂きたい。


