前回は「Gグループ中学志望の方へ 7」の話でした。
中学への算数6月号のご紹介です。
良問が盛りだくさんですから、GWに積極的にやってみましょう。
図形問題(p5):厚紙を切って図形を動かす
「図形を動かす」や「図形に固定した紐を動かす」問題で、昔から典型問題です。
これは「分かりやすい」し「イメージすること」が大事なのですが、意外と「分からない」問題です。
あるいは、ざっと絵を描いて「出来た!」と思ったら、「少し抜けていた」とか「ちょっと違う」が多い問題です。
武蔵や麻布では、記述式で出題される可能性が高いです。
こういう「図形を動かす」問題で「ちょっと違う」場合、大きく減点されて、ほとんど点数になりません。
その「ちょっとした部分」こそが「大事なポイント」だからです。
典型的な問題が網羅されているので、ぜひしっかり理解しましょう。
描いてみたけど、分かったような
分からないような・・・・・
という方は、一度、厚紙を切って「実際に図形を動かして」みましょう。
中学への数学では、大抵一番後ろに厚紙で作成した「展開図」などがあります。
これは非常に良い姿勢です。
「切って、実際にやってみましょう!」ということです。

付録の厚紙を切ってみる姿勢
問題集・参考書によって、「良い解説」「分かりやすい解説」など様々ですが、実際に厚紙がある本は少ないです。
それは「製本過程で一手間かかる」「コストがかかる」などの理由があるのでしょう。
それでも「子どもたちに、実際に切ってやって欲しい!」という信念が感じられる、中学への算数。
僕はこういう姿勢が、非常に好きです。
こういう図形問題は、図形をみたり描きながら問題文読むので、問題文は簡潔が望ましいです。
中には、長文で「読むのが大変」な問題もあります。
こういう文が
長い問題もあるんだ・・・
と、じっくり時間をかけて、しっかり状況を理解しましょう。
時間があるときに、親も一緒に、文房具屋さんで購入した厚紙を色々切って、回してみましょう。
一回しっかりとやってみると、
ああ、
こういうことか・・・
と分かります。
このプロセスが、非常に大事です。
グルグル回してみて、「ここでこうなって・・・・・」と実際に体感することが大事です。
その「一度体感する・体験する」姿勢があると、非常に強くなります。
応用力が大きくアップします。
塾などでも先生が、白板に描いて
ここが、
こうなるから・・・・・
と説明するのを聞いて、
うんうん。
と分かった気になってしまいがちな問題が、これら「動く図形」問題です。
一問一問しっかりと理解して、踏み固めるように理解しましょう。
でも、難しいよ・・・・・
出来るようになるかな・・・・・
こういう「動く図形」問題は、イメージするのが簡単そうで難しいので、大人でもしっかりできる人は少ないです。
「難しいのが当然」という気持ちで、少しずつ考えてみましょう。
厚紙切って、回してみるのをみていると、オモチャみたいで楽しく感じられませんか。
ちょっと面白いかも
そういう気持ちが大事です。
こういう「実際にやってみる体験」は、本質的で非常に大事です。
そして、麻布・女子学院のような「ちょっと考えさせる」理科の問題を解くコツがつかめます。
武蔵の理科「おみやげ」問題などに対応する学力が上がるでしょう。
楽しみながら実際にやってみましょう。
図形:要点整理(p14)は全部やるのが望ましいですが、ご紹介する問題はやりましょう。
問題2(p14)要点整理:中心・対称線
「円の一部に線を引いて、角度・面積」も昔からよくある問題で、古典的とも言えます。
円や正六角形などの問題は、「中心」や「対称となる線」が非常に大事です。
算数実践4では、正六角形の「中心を通る線」が最も大事なポイントでした。
色々と自分で線を描いてみましょう。
この補助線があると分かる!
この補助線は、あまり意味がないかも
自分で色々と補助線引いてみると、「これが良い補助線かな」という勘が磨かれます。
それは、受身的に教わっていては身につかないので、「自分でやってみる」ことが大事です。
問題3(p14)要点整理:「同じこと」をイメージ
これも「図形を回転」の問題で、円弧・扇型が沢山できます。
こういう問題は、しっかり描く・イメージすることを地道にやってみましょう。
ポンポン円が出てきて、ちょっと混乱してきます。
正三角形は、折り返しても同じなので、「同じこと」をイメージしながら考えてみましょう。
7月頃にこういう問題を見たら
こんな感じかな・・・
とパッとイメージできるようになりましょう。
答えの図を見て、そこに書き込むのではなく、「自分で図を描く」をしっかりやりましょう。
「しっかり描く」姿勢で一題一題しっかりこなす方が「たくさんの問題を解く」より、学力が上がるでしょう。