日本の総理大臣と米国の大統領〜軍の最高司令官の存在・反撃試みる米海軍・ルーズベルト大統領の戦略・米海軍の「真珠湾」に対する反撃・狙いは首都Tokyo〜|山口多聞17・ミッドウェー・人物像

前回は「日米の違いと曖昧な日本軍の組織〜海外におけるYamamotoの雷名・海軍兵学校の先輩と後輩の食い違う意見・柔軟な米海軍人事・少将から大将へ一気に進級したニミッツ〜」の話でした。

山口多聞 司令官(Wikipedia)
目次

日本の総理大臣と米国の大統領:軍の最高司令官の存在

Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)

最高指導部が揉めた場合、米国ならば「最高司令官」である大統領が出てくるでしょう。

「昭和天皇が大元帥=最高司令官」だった当時の日本(大日本帝国)。

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昭和天皇(Wikipedia)

昭和天皇が「軍の最高司令官」でしたが、昭和天皇が軍に何か指令を下すことはありませんでした。

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大本営組織図(歴史人2019年9月号別冊 KKベストセラーズ)

軍に命令を下すのは、陸軍では参謀本部、海軍では軍令部でした。

そのため、東條首相は海軍には影響力が全くありません。

東條 英機 内閣総理大臣兼陸軍大臣(Wikipedia)

東條首相といえど、海軍にはタッチできません。

海軍は、私の言うことなど、
全然聞かぬ。

というより、意見そのものが、
求められていない。

そして、最高司令官=大元帥たる昭和天皇。

大本営に
軍の作戦指揮は任せている・・・

これらの事態を「知らなかった」のです。

第二航空戦隊 空母飛龍(Wikipedia)

少し勝ちすぎたから、
「勝って兜の尾を締めよ」だ!

勝ち続けているとはいえ、
将兵は少し疲れている・・・

若手の訓練も、
もっとしなければ!

山口司令官の思いとは、裏腹に歴史は進んでゆきます。

反撃試みる米海軍:ルーズベルト大統領の戦略

奇襲攻撃後のルーズベルト大統領の演説(歴史人 2021年8月号 ABCアーク)

奇襲攻撃ならぬ「騙し討ち攻撃」に終わった、真珠湾攻撃。

真珠湾は、
奇襲攻撃ではない!

ただの
「騙し討ち」なのだ!

この卑怯者ジャップ(日本人の蔑称)を、
米国は全力で叩き潰す!

リメンバー・
パール・ハーバー!

米国はこの事実を最大限利用して、

Japanは
卑怯者だ!

と、世界中に宣伝します。

真珠湾を奇襲攻撃する日本海軍(歴史街道2021年12月号 PHP研究所)

結果論としては「奇襲攻撃しなかった方が良かった」とも言われる真珠湾攻撃。

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沈没する米戦艦ウェスト・バージニア(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

米軍は、「騙し討ち」を大いに利用するも、空母を主軸とした日本海軍に大ダメージを受けた米海軍。

なんと言っても、民間人含めて2,400名ほどが亡くなり、「大打撃を受けた」米海軍でした。

米海軍の「真珠湾」に対する反撃:狙いは首都Tokyo

Chester Nimitz米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

米海軍としては日本海軍に仕返しをしなければ、腹の虫が治りません。

おのれ・・・
Japan(日本)め・・・

なんとかして、
Japanに反撃するのだ!

ところが、当時太平洋において、日本海軍は米海軍を圧倒する力を持っていました。

だが、Japanの海軍は
非常に強力だ・・・

なんとか、
Tokyoを空襲できないか?

こう考えるニミッツ米太平洋艦隊司令長官。

Emperor(天皇)のいる
Tokyo・・・

Tokyoを空襲すれば、
Japanに一泡ふかせられる!

流石に、
それは難しいです・・・

Japanの近海に近づくことすら
極めて困難です。

それは当然のことでした。

どの国でも首都は最重要であり、防備は万全です。

しかも、日本軍・日本人にとって「天皇陛下のいる」Tokyoは、特別な都市。

まったくもって
難しいです・・・

なんとか
考えろ!

はっ!

真珠湾の
攻撃では・・・

戦艦などは、ある程度
修理できた。

だが、何人の米軍人が、
あの攻撃で死んだと思っているんだ!

米軍側から見れば、「一矢報いねば、気が治らない」のでした。

新教育紀行

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