回路のわかりやすい考え方・解き方 1〜電流の流れをイメージ・回路を描く・閉じた回路・分流と合流〜|中学受験・理科

前回は「電気・電流・抵抗のわかりやすい考え方・イメージ 4〜回路をイメージ・電池=電圧=ポンプ・矢印の大きさ・エジソン〜」の話でした。

目次

電圧・電流・抵抗とオームの法則

電気・電流の考え方:電池の直列つなぎ(新教育紀行)
電気・電流の考え方:電池の並列つなぎ(新教育紀行)

電池の直列つなぎ・並列つなぎにおいて、電圧を矢印で表現して考えました。

電池の直列つなぎ

・電流は、「電池の個数分の高さ=電圧」持ち上げられる

・電池の持ちは変わらない(流れる電流が同じ)

電池の並列つなぎ

・電流は、「電池1個分の高さ=電圧」持ち上げられる

・電池の持ちは、並列電池の個数分長くなる(流れる電流が減少する)

直列・並列は、電球や抵抗もありますが、電池と同じように電圧を矢印で考えることができます。

電気・電流の考え方:オームの法則(新教育紀行)

そして、公式として暗記することが多い「オームの法則」の式の意味を考えました。

非常にシンプルな法則・公式である「オームの法則」において、「電圧を主役」とします。

電池の役割

・回路に電圧を発生させる

・発生した電圧は、電流を持ち上げるポンプの様な役割を持つ

・「電池=電圧=ポンプ」が回路にあるイメージ

電流をエイッと持ち上げる(起電力)「ポンプ」の様な役割の電池。

電圧と電流の基本(新教育紀行)

回路を一周すると「持ち上がった電流の高さ(電圧)」が「同じ高さ(電圧)下がる」ことを考えました。

これらのことが、電圧・電流・抵抗、オームの法則、回路の基本です。

回路の基本

・電圧 = 電流 x 抵抗(オームの法則)

・主役は電圧

・「電池 = ポンプ」が回路に電流を流す

・回路を流れて、一周した電流は「上がった高さ」分下がる(電圧効果)

これらのことを、しっかり理解しましょう。

基本的回路の具体的考え方:回路を描く大事さ

基本的回路(新教育紀行)

電圧を主役に考えて、基本的回路を考えてみましょう。

基本的回路(新教育紀行)

まずは、「電流が流れる」イメージを描きましょう。

このように、回路を学ぶ際には、「回路自体を描く」様にしましょう。

問題文とかテキストの
回路に電流を描けば、良いんじゃない?

それでも良いですが、「実際に回路を描いてみる」をやりましょう。

すると、必ず理解が深まるでしょう。

定規を使っても、フリーハンドでも良いですが、フリーハンドで描いてみましょう。

少し線が
曲がってもいい?

線が曲がっても、「理解が深まる」方が優先です。

「きれいに」描けなくても良いので、「丁寧に」描いてみましょう。

そして、流れる電流と持ち上がる高さ(電圧)を描きましょう。

回路の学び方

・回路自体をフリーハンドで描く

・流れる電流・電流が持ち上がる高さ(電圧)を色鉛筆・マーカー等で描く

試験・テストでは、「問題文に記載されている」回路に電流・電圧などを描きましょう。

基本的回路(新教育紀行)

「電流が流れる理由」は、「電池が電圧をかけるから」です。

電圧をかけて、電流をエイッと持ち上げるイメージです。

電池の役割

・電流をエイッと持ち上げて、回路に電流を流す

・持ち上げる高さ = 電圧

・「電池 = ポンプ」のイメージ・電池は力持ち

・電池は切れる(力がなくなる)まで、電流を何度も何度も持ち上げる

一度戻ってきた電流は「高さ(電圧)が0」に戻って、再度電池に持ち上げられます。

回路を分けて考える:閉じた回路

基本的回路(新教育紀行)

この回路を上記のように、A,Bの二つの部分に分けて、考えてみましょう。

なんで、
分けて考えるの?

合成抵抗の公式使えば、
すぐ出来るよ!

合成抵抗の公式を使って考えると、素早く解けます。

試験では、その方が良いですが、「しっかりと理解して公式を使う」様にしましょう。

A,Bの部分に分けたのは、それぞれが「閉じた回路」だからです。

「閉じた回路」って
何?

閉じた回路

・回路の入口と出口が、つながっている回路

・電流が分かれて、それらの分かれた電流が合流する回路

回路が複雑になっても、「閉じた回路」を考えれば、必ず解けます。

少しずつ、しっかり考えてみましょう。

今回は、公式は使わずに、「どのように電流が流れ、電圧が上がったり下がるか」を考えます。

基本的回路(新教育紀行)

分かれる電流をイメージ

基本的回路(新教育紀行)

まずは、A の回路を考えましょう。

電池がエイッと持ち上げてくれたので、電流が流れて、Aの回路に流れ込んできます。

流れてくる電流を、少し太く描いてみましょう。

線が分かれるところで、「電流も分かれる」ので、「太い流れの電流が流れてきたイメージ」です。

電流の大きさを「矢印の長さ」で考えても良いでしょう。

慣れるまでは、「矢印の太さ」の方がイメージしやすいと思います。

武蔵中学・高校の「すすぎ川」(新教育紀行)

川の流れが分岐するイメージです。

流れている川が二手に分かれる時、川の幅は「元の川の幅よりも小さく」なるイメージです。

電流のイメージ

・電流は回路を「川のように」流れる

・回路が分かれるところで、川と同様に、電流も分かれる(分流)

・電流の強さを「矢印の長さ」か「矢印の太さ」で表現

基本的回路(新教育紀行)

電流が分かれるところで、「太い電流」が「細い電流」二つに分かれます。

「川の流れ」をイメージしてみましょう。

合流する電流をイメージ

基本的回路(新教育紀行)

一度分かれた電流は、回路を進んで、線が合流するところで「電流も合流する」のです。

基本的回路(新教育紀行)

そして、合流して再び「太い電流」になって、回路を流れてゆきます。

基本的回路(新教育紀行)

ここで、「一度分かれた電流」の「それぞれの電流」を考えましょう。

それぞれ途中で、電球の持つ「抵抗」によって、電流の高さが下がります。

電気・電流の考え方:抵抗(新教育紀行)

「抵抗」は、誰しも嫌なものです。

電流を「川の流れ」で考えた時、「川の途中に大きな岩がある」のをイメージしましょう。

川の流れが、
岩で少し勢いが弱まるね。

この二つの高さは、どうなるでしょうか。

知ってるよ。
同じなんだよね。

「下がる高さ(電圧効果)」は、同じです。

基本的回路(新教育紀行)

同じではなかったら、どうなるでしょうか。

「同じだけ電圧が下がる」と
習ったから・・・

「同じではなかったら」は、
考えなかった・・・

「同じではなかったら、どうなるか」を少し考えてみましょう。

電圧と電流の基本(新教育紀行)

回路を一周して、電池に戻ってきた電流の「持ち上がった高さ」が「違ったら」を考えました。

電圧と電流の基本(新教育紀行)

この事と同様に、「閉じた回路で、下がる電圧が違ったら」を考えてみましょう。

回路は基本をしっかりイメージして、理解することが本質的で、非常に大事です。

そして、「基本をしっかりイメージ・理解」できれば、問題は全部できるようになるでしょう。

新教育紀行

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